くるみとあんずの散歩道

2017 / 08
07≪ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 ≫09

じぃじが残してくれたもの

2012/01/19(Thu) 14:54
くるあんパパのお父さん(くるあんじぃじ)が亡くなって、9年になります。

ママの実の父が寡黙で自我を通さず、ひたすら家族や妻の身内を養うために

働き続けた生涯だったのに比べ、趣味に明け暮れた(舅)じぃじに対して冷めた感情を抱いてきた私です。



無声映画の翻訳、無料鑑賞会の開催、サイレント映画スター・ヴァレンティノの伝記出版、書家としての勉強、社交ダンス。。。

じぃじは人生を謳歌していました。 そして家では。。。

自分の両親の出身や家柄を、延々語るのが楽しくてたまらない様子で、2時間以上も話し続けるのです。

親族が集まるたび、そうした「じぃじのルーツ」の一席が始まり、同時に部屋からは

潮が引くように子や孫がうんざりした表情で去っていき、後にはいつも末息子の嫁のくるあんママだけが

一人ぽつんと残されました。

その結果室町時代から今日までの(どれほど正確か解りませんが)先祖の物語を…今では

くるあんママだけが語り部となりました。


じぃじ亡き後、親族の集まりで昔話に花が咲いた時、じぃじの実の子である義姉たちから

「あなた、なぜ、私たちの知らない我が家の過去に詳しいの?」と聞かれたことがあります。

いつも、お義父さんおっしゃっていたじゃないですか?と言うと、義姉たちは顔を見合わせ首をかしげるので

「お義父さんお得意のスピーチが始まると、いつもお義姉さんたち逃げちゃっていたから記憶にないんですよ」と言う私に

「あなたは父のお気に入りだったから、いつも身近に呼ばれていたのよ!」と口々に言うのです。



この言葉はママにとって意外でした。

ママはじぃじに嫌われているとばかり思っていたのです。たとえば。。。


じぃじが長期入院していた時、ママはじぃじの好物を作って毎日運んでいました。

もちろん、下の世話も、できることは何でもしました。そんな様子を見ていた看護士さんから、

「あなただけが実の子供なのでしょ?あなただけが優しいもの」と言われたほどでした。

でも、ばぁばや義姉が繰り広げる騒動が勃発するたび、じぃじは妻や娘の一方的な言い分を受け入れるばかりで、

それに巻き込まれ振り回される私に冷たい反応を示したのでした。

パパが言うには、強気でうるさい女ども(妻や娘)に関わるのが親父は辛かったのだろう、と言います。

でもママは徐々に孤独感が募ってしまい、じぃじに優しい感情を持てなくなってしまいました。

じぃじは最晩年になっても、くるあんパパママとの同居を望み、

一緒にいてくれるだけで心強い、この家を二人に残したい。。。とまで言ってくれましたが

ママはじぃじの言葉を信じる気持ちに自信が持てませんでした。


昨夜、テレビ番組の中で、チャップリンの映画の3作品を、掻い摘んで紹介していました。

『街の灯』『独裁者』『ライムライト』

それらは映画好きなじぃじが、区の図書館の劇場を借りて無料鑑賞会を毎月開き、ママにも熱心に進めるので、

しぶしぶ義理で出かけ、観た覚えのある作品です。



盲目の少女に角膜移植の手術を受けさせたくて、ボクシングに挑み負けてしまうホームレス、大金を得た後、

自分が費用を用立てたことを明かさず手術を受けさせる。視力を取り戻した彼女には気づかれることもなく接するが

ある時手が触れた瞬間、彼女は気が付く…意外な人物に戸惑う表情。。。(街の灯)


戦争がそしてヒットラーが問題視されなかったころ、それに挑んだ『独裁者』

ヒットラーを堂々と批判して、大問題に発展し、チャップリンは国外追放に。。。


ライムライトは落ち目のコメディアンが、歩行不可能に陥ったバレリーナを支え、励まし、

彼女の再起を見届けながら、舞台のそでで息を引き取る物語。



見終えた後、そばにじぃじがいるような気がしました。

じぃじがママに残したいと言っていたあの家は、膨大な映画の資料と共に義姉たちの意思で売り払われ、

今は跡形もありません。 

でも一緒に見た映画の思い出がよみがえるうち


じぃじが私に残して行ってくれたものは、

決して失うことのない無償の愛なのでは…とふと気づいたのでした。





思い出 コメント:0 トラックバック:0
コメント:
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック:
トラックバック URL
→http://kuruan.blog.fc2.com/tb.php/651-6d10f737
Next Home  Prev

プロフィール

くるあんママ

Author:くるあんママ
2012年夏、東京下町から南房総内房の海岸近くにお引越し。
ミニチュアシュナウザー、くるみ(ソルト&ペッパー12歳)とあんず(ブラック8歳)パパママの4人暮らし。
時に、オバちゃんの介護日誌も兼て。
東京の家には長女CHA-ネエ・ポメラニアン小太郎(7歳)きなこ(2歳)が。
お散歩、趣味(料理)、お友達とのお付き合い、ボランティア等々気の向くまま綴っています。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR