くるみとあんずの散歩道

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人生の先輩の話 ①

2014/04/06(Sun) 00:00
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くるあんママのただ一つの取り柄は

マッサージが巧い、ことです。

素人ですが、整体の先生直々に教えて頂いたので

ただ気持ちが良いだけでなく、身体の不調が(一時的ですが)

改善されるという効果があるのです。

こうした能力を家庭でも発揮し、虚弱体質のくるあんパパの

胃の痛みや吐き気、頭痛、目の疲れ等・・・ママのゴッドハンド(?)で

たちまちのうちに直してあげているんです。


で、なぜ整体の先生にマッサージを習うことが出来たか、と言うと

若い頃アルバイトをしていた医院に整体コーナーが出来、そこで

カルテの記入などのお手伝いをしていたところ、徐々に

その整体コーナーが大盛況してしまい、先生はてんてこ舞いに。。。


そこで骨折や捻挫など、

プロでないと直せないことは先生がするとして

暇を持て余してお喋りに来るお年寄りを相手に、

くるあんママが駆り出される事になったのです。

資格を目指しつつ修業を始めた所、もともと祖母や母・叔母の

マッサージをしていた実績(?)もあり、ある程度の基本を先生から教わると

メキメキ才能(?)を開花!? (~_~;)

ご指名が後を絶たないほどになった、という次第です、オッホン!


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ある日、くるあんママのバイト先に、

母と叔母が、内科を受診しにやって来ました。

すると、院内のお年を召した患者さん達からざわめきが。。。

着物姿で外では品の良い母と、プロポーション抜群のオシャレな叔母…

二人がしゃなりしゃなりと院内を歩き回る姿を見て、

ため息まじりに見つめるお年寄りたち。

「きれいだね?」 とひそひそ。。。

「あの歳でこんなにキレイなんだから、若いときゃどんなにいい女だったろう?」

とお爺さんたちの呟きが。。。


その注目の二人が、私の母と叔母と知った時のざわめき・・・

驚きの目を向けながら

「あんた、いいとこ嬢ちゃんだった? 

 按摩させて悪かった?」

と、口々に聞くのです。


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そこで、ママは正直に打ち明けました。

私は今の仕事で、皆さんと巡り合い、少しでも痛みの軽減や、

疲れの解消のお手伝いが出来ることが、とても嬉しい。

やりがいのある仕事をさせていただき感謝している・・・と。

そして母や叔母と私は、生き方も、生まれついた星も違う、と。


母や叔母の人生の殆どは、実家の稼業が良い状態の時であり、

蝶よ花よで育てられた。片や私は。。。

しっかり者の祖父が健在だったころは、大事にしてもらえたが

祖父亡き後、子供心に後ろ盾を失ったと切実に感じたものだ。

また母は、3人の息子を溺愛していたが、たった一人の

娘のことは、眼中にないようだった。。。


でもこれは私にとって、どうでも良い話だったのです。

母は非常に我がままで癇癪持ちだったので

可愛がってくれるより

関わらないでいてくれれば、それでいい、と達観していたのです。



さて。。。

こうした話を聞いてくださったお年寄りたちからは、意外なほどの反響があり、

それ以来マッサージの間、励ましや打ち明け話のサロンのようになりました。

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ある男性患者さんは、こう話されました。


大正の始め、

信州の大きな農家に生まれたが、跡継ぎの長男だけが大切に育てられた。

その後の時代であれば、次男三男もきちんと教育を受けさせてもらえ

自分の力で、独立できるまで親元にいられるが

明治、大正の頃は、長男以外はごく潰しとして扱われた。

女の子は芸者置屋に売り飛ばされた。

自分は男だったので、軍隊に売られた。

軍隊は男ばかりの世界なので、

女の人が出入りすると厄介なことになりかねない。だから

掃除、洗濯、炊事など、歳の行かない男の子がさせられた。

ここでも人間的な扱いはされなかった。ひもじい思いの毎日だった。

山に薪を拾いに行くふりをして、あちこち神社に寄り道した。

お供え物をかすめ盗るために。

お供え物を盗るには、コツがある。

参拝客の目に付く、前の部分は盗ってはならない。

後ろの部分を盗るのだ。どんなに腹が減っていても

一度にたくさん盗ってはならない。重なっていたものが崩れると

盗んだことがばれてしまう。

薪を拾いながらあちこち歩き、行った先々の神社で、少しずつ

かすめ盗るのが、ばれない秘訣だ・・・と。


そのお爺さんは一生懸命働き、会社をお輿し、一代で財を築きました。

彼は、一日として学校に行かせてもらえなかったそうですが

何事も独学で学び、

高学歴の者より、はるかに豊かな知識人でした。

書家と言えるほど達筆でしたし、彫刻家としての名もお持ちでしたし

社交ダンスもお得意でした。

仕事で成功しただけでなく、人生そのものも豊かに味わっていたのです。

「親にちやほやされない方が、自分の為だよ」そうつぶやきながら

彼はマッサージをしている私に、一枚の写真を見せてくれました。


晩年になって、わだかまりなく付き合えるようになった、という

生家の家族との写真でした。その中で

信州の山々を背景に、一際堂々として写っているのが、

子供の頃、軍隊に売り飛ばされた彼でした。




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プロフィール

くるあんママ

Author:くるあんママ
2012年夏、東京下町から南房総内房の海岸近くにお引越し。
ミニチュアシュナウザー、くるみ(ソルト&ペッパー12歳)とあんず(ブラック8歳)パパママの4人暮らし。
時に、オバちゃんの介護日誌も兼て。
東京の家には長女CHA-ネエ・ポメラニアン小太郎(7歳)きなこ(2歳)が。
お散歩、趣味(料理)、お友達とのお付き合い、ボランティア等々気の向くまま綴っています。

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